消費者の薄型TVやCRT TVの買い換えサイクルは、それ以前のCRTからCRTへの買い換えサイクルの平均10〜15年と比べると、はるかに速い傾向を世界的に示していることがわかった。DisplaySearchがその最新調査
Global TV Replacement Study で明らかにした。今後のTV消費の可能性を理解するうえで、買い換えペースと買い換えや追加購入の要因を研究することは極めて重要である。
DisplaySearchの北米TV市場担当ディレクター・Paul Gagnonは、「デジタル放送への移行と薄型TVの低価格化が、消費者に手持ちのTV、特にCRT TVの買い換えを決断させる要因となっており、そのペースは過去に例を見ないほどである。買い換えサイクルの変化とその促進要因を知ることは、将来の消費動向の可能性を理解する端緒となる」と述べている。
Gagnonはさらに、「例えば、ある市場における導入基盤の大半を最近購入されたTVが占めており、買い換えサイクルがそれほど急速に短期化していない場合、今後の需要は踊り場を迎える可能性がある。こうした例は、メーカー側は3Dなどの新機能を買い換えサイクル短期化の促進要因として期待するものの、消費者は買って間もないTVを新しい機能追加のためだけに買い換えようとは思わない、というケースに特に当てはまる」と加えている。
■新興市場でも購入後間もないTVの買い換えが
日本や米国などの成熟した薄型TV市場では、世帯消費支出が比較的高いためTV買い換えサイクルが加速することは当然想定される。しかし、DisplaySearchの今回調査によると、必ずしもそうではない点も観察されている。購入後間もないTVの買い換えの例は、インドやインドネシア、中国などの新興市場でも見られる。新興市場では先進地域より後でTVが普及したところが多く、TVビジネスの成熟度が全般的に低い。こうした市場では買い換え対象となる導入基盤が比較的若いが、その差はかなり大きい。例えば、インドネシアの消費者のTV買い換えの平均年数は日本の約半分である。日本でエコポイント制度が実施され消費者が古いTVの交換に活用している時期にあっても、同様の傾向が見られた。
■各地域のTV買い換え動向
DisplaySearchの
Global TV Replacement Study は現在のTV市場概観と買い換え動向を国別に解説した商品で、下記のような情報を提供している。
- インドの消費者の大半はかなり小さなCRT TVを使っているが、一方で驚くほど多くの薄型TV買い換えも見られ、社会的階級の区別を反映した動向が観測されている
- イタリアの家庭では状況がまったく異なる。一つ屋根の下で大家族が暮らすため、ダイニングルームやキッチンなどにTVが置かれることが多く、複数の視点からの視聴や一世帯あたりの平均TV所有数が世界第二位(米国に次ぐ)といった特徴が見られる
- ロシアは巨大な国であるが、住居(多くは共同住宅)のサイズが小さい。そのため、TVの平均サイズは日本よりもかなり小さい
- 中国都市部の家庭が所有するTVのサイズ傾向は米国と驚くほど似ており、大型TVを所有できるほど社会的地位が向上していることを反映している
■なぜ消費者はTVを買い換えるのか
世界の消費者はさまざまな理由でTVを買い換える。地域によってその結果が異なる一方で、下記のような重要なポイントも発見されている。
- 消費者は薄型TVかHDTV、あるいはその両方を欲しがっている。TV買い換えの決定は、大型で高画質のTVを欲しいという欲求と強くつながっている
- 手持ちのTVが旧式、あるいは故障している、というのはTV買い換えの強い動機にはなるが、買い換え理由の上位ではない
- 興味深いのは、インターネット接続や3Dといった先進機能がTV買い換え理由としては未だに弱いということである。これは、新機能が出たからという理由で消費者がTVを買いに出かけるわけではないことを示している
- 価格関連の要因は、TV買い換え決定の重要事項である
- TVブランドの信頼性は他の理由よりも多少重要な要素という位置づけであるが、日本では状況が異なる。日本ではブランドの信頼性が非常に重視される。薄型TV時代に多くのブランドが出現し幅広い価格帯の商品を発売、価格がブランド選択の切り札ともなった。大手ブランドが積極的に低価格競争で対抗しているという事実もあり、各ブランドが公平な条件で戦う状況となっているが、それと共にブランドの重要性は軽くなっている
■DisplaySearchのGlobal TV Replacement Study、待望の発行
消費者のTV買い換え速度は?買い換えサイクルが最も短い国はどこか?TVセールスの重要要素とは?DisplaySearchの
Global TV Replacement Study は世界14市場のTV買い換え動向をDisplaySearchのTVアナリスト陣・親会社NPDグループの消費者調査 双方の専門知識を結集し、1万4千以上のTV所有者に直接調査をした商品であり、消費者がCRT TVや薄型TVを買い換える理由を洞察、下記のような重要情報を提供している。
- TVの買い換えや買足しが最も多い市場とその理由
- 現在家庭にあるTVの詳細分析(技術、ブランド、サイズ、年数、場所)
- TVセット以外で消費者がTVや映画、ビデオの視聴に利用しているデバイス(iPad、スマートフォン、ノートPCなど)
- その地域のTV買い換え動向が商品企画やサプライチェーンに与える影響
この調査では今後12ヶ月の消費者のTV購入計画も明らかにしている。
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